私は、人を陥れるバラエティやドッキリ企画が苦手です。
全く面白いと思えず、いたたまれなくなってチャンネルを変えてしまうのです…
「ノリ悪!」「こんなに面白いのに!」と家族にも言われてきたため、
と、どこか自分を責めるような気持ちで生きてきました。
しかし、先日とあることがきっかけで、「共感性羞恥」という言葉を知りました。
という人は、もしかしたらこの「共感性羞恥」という感覚を持っているのかもしれません。
同時に、HSP(Highly Sensitive Person)と呼ばれる、内向的で感受性の高い心の性質のことも知りました。
この2つを知って、私は今まで生きてきた中で感じてきた息苦しさの正体を知ることになったのです。
この記事をご覧の方の中には、多少なりとも生きづらさを感じていて、自分がHSPかもしれない…と考えてらっしゃる方も多いと思います。
について、私の体験や考えをもとにまとめてみました。
- ドッキリやモニタリングなどのテレビを観るのがしんどい人
- 共感性羞恥・観察性羞恥・HSPについて興味がある人
我が家でテレビ番組を巡って起こった、とある事件

私はテレビをほとんどみません。
笑いを取れずにスベったり、モニタリングされているのを見たりすると、テレビを消すか違う部屋に行ってしまいます。
一方、夫はお笑いやドキュメンタリーが大好き。
ドッキリなんかは本当に楽しいみたいです。
こんな私なので、主人が好きなバラエティやドキュメンタリー番組を一緒にみているのがとても苦痛でした。
結婚してすぐの頃はなんとか我慢していました。
しかし、なにかの番組で芸人コンビのツッコミがボケを叩いて怒鳴っていた瞬間、もう我慢できなってしまったのです。
食事中だったのですが、胸が苦しくなって立ち上がり、寝室に逃げ込んでしまいました。
少し落ち着いてリビングに戻った後、
- ドキュメンタリーやお笑いをみているのがしんどい。
- 面白いとも思えないし、とにかくしんどいから見たくない。
と主人に話しました。
テレビ観ながらご飯食べてて突然出て行って、帰ってきて言うことがそれならそりゃびっくりしますよね。
ひとまず「夕食時のテレビは、ニュースかYouTuberの動画にする」というルールで落ち着きました。
この出来事で、
と、ひどく落ち込んでしまいました。
敏感で繊細な「HSP」という人の存在を知る

そんな折、HSPと呼ばれる「非常に感受性が強く、敏感な気質」の存在を知ったのです。
【HSPのネガティブポイント】
- 日常のささいなことを刺激に感じてしまう
- 想定外や予定外のことが苦手
- 一人になる時間が必要
- 騒がしいところが苦手
- 慎重すぎてなかなか行動に移せない
- すぐ感極まったり傷ついたりして泣いてしまう
とても驚きました。まさに私が日頃感じている生きづらさと全く同じだったから。
そして、HSPの気質を持っている方のブログを拝見しているうちに、
HSPとは人の性質のひとつで、病気や欠陥ではないことを知りました。
むしろ、自分が自覚していたネガティブポイントがそのままポジティブに表現されていて、とてもほっとしたのです。
【HSPのポジティブポイント】
- 繊細で共感性が高く、人を思いやることができる
- 物事を深く考えてから行動する
- 危険意識が高い
- 一人の時間を楽しむことができる
- 1のことを聞いて10のことを考えられる
- 感受性が豊かで鋭い
コミュ力が大事。
てきぱき動けるのが最強。
休日は外へ出かけるのが一番。
今の日本では、よくしゃべり、行動が早く、活発に動き回れることが良しとされがちです。
そしてそれができない自分を、いつも心のどこかで社会不適合者として責めていました。
HSPという性質を知ったとき、こんなに自分のことを肯定的に受け入れられる考え方があることが衝撃でした。
そして、そんな性質を持つ人はこの世界中にたくさんいる。
という迷いもありつつ、この性質についてもっと知りたいと思うようになりました。
HSPかどうかは、こちらからすぐに診断テストをすることができます。
ただ、内向的で繊細な部分があるのは確実なので、向き合い方としては近いのかなと思ってます。
テレビ番組で紹介された「共感性羞恥」
HSPについて調べていく中で、「共感性羞恥」という言葉を知りました。
共感性羞恥とは、人が傷つけられたり、恥をかいたりするような場面をみたとき、まるで自分が傷つけられたり恥をかいたりしたように感じてしまう感情のことです。
2016年に「マツコ&有吉の怒り新党」という番組で取り上げられ、一気に市民権を得た言葉です。
テレビで芸能人がイジられ笑われたり、ドラマの主人公が恥をかかされたりするシーンになると、気の毒になり、いたたまれたくなる――。そんな感情に心理学の名前があった!「共感性羞恥」というのだそうだ。
共感性羞恥
#abe02 pic.twitter.com/kdzQzuMKUG
— シーマTYPEⅡLIMITED (@CIMATYPE2) September 3, 2017
共感性羞恥を持つ人は、例えばテレビ番組やマンガなどで非難されたり、場が凍るような状態になると、いたたまれなくなってしまうそうです。
番組内では10人に1人とも紹介されていたほどほど、マイノリティなこの感覚。
そして、Twitterを見ると私と同じようにテレビのドッキリが苦手な人が多いことに、とても安心しました。
恐怖症というか、共感性羞恥というらしい。
テレビで失敗しそうな人やイキッた人がでると、ゾワゾワして見てられない。
ネットで記事を見つけて、やっと自分を理解した。https://t.co/WHOjjnu8gt
#このタグを見た人は何恐怖症か答える#共感性羞恥— 築地の人 (@hitori_jaws0079) May 30, 2020
昔から共感性羞恥があるから、DVD見てて
どうしても見てられなくなっちゃうような
所が2度と見られないのがまじで辛い
恥かくような場面とかは例え推しでも絶対
スキップしないと耐えられない…泣
推しの姿は楽しい気持ちで見たいのに、
なんで自分が恥ずかしくなるんだろ#共感性羞恥— みたらし (@dango_umamizawa) May 29, 2020
自分が異常ではなかったのだ…と、とてもほっとしました。
「共感性羞恥」って、本当に相手に共感してるの?
さて、「共感性羞恥」という言葉を知ってほっとしたと同時に、少しひっかかりも感じました。
だって、「いたたまれない、恥ずかしい」って、私が勝手に思ってるだけだから。
イジられてる「あの人」が「恥ずかしい」と思ってるかどうかは分からないから。
そう考えるに至ったとある出来事が、大学時代にありました。
所属していたサークルの先輩の1人に、とんでもないくいじられキャラな先輩(Aさん)がいました。
本人がNOと言わないことをいいことに、周りの人たちが「愛あるイジリ」と称して、見ているこっちが辛くなるようなことを、あれやこれやとやるわけです。
- 誕生日プレゼントと称して女性用の下着に寄せ書きして渡す
- ナンパして振られるところをみて笑う
- ドッキリ美人局のようなことを仕込む
など、若気の至りで済ませていいのかと思うような、いたずらの数々。
見ていられなくなった私は、Aさんに
と聞いてみたことがあります。
するとAさんはケロッとした顔をして
「え?全然。オイシイやん。」
と言い放ったのです。
この出来事は当時の私にとって、ものすごく印象的で心に残っていました。
ここまでされても、恥ずかしいではなく、イジられてオイシイと思う人がいるのか…
と、これまた落ち込んでしまったのでした。
だから、私の中では
「相手の羞恥心に共感して恥ずかしい気持ちになる」という説明には、なんとなく違和感があったのです。
研究が進み、現在では「観察者羞恥」とも呼ぶ
気になったら調べつくさないと気が済まないタチの私。
調べていたところ、この疑問の答えをまとめている記事がありました。
こちらは有料noteなのですが、目次に答えを全て書いてくださっています。
(以下抜粋)
- 共感性羞恥は特に心理学的な正式名称ではない
- 現在では「観察者」と対象との関係性が重要であり、それは観察者の主観に依存することから「観察者羞恥」と呼ぶほうが実態に近いとされている
- 実際は共感なんか成立してません。観察者であるあなたが、勝手に、恥ずかしいと思ってしまってるだけです
なので、羞恥を感じるかどうかは受け手次第・個人差があります。
むしろ、10人に1人のマイノリティな感覚なのであれば、感じない人のほうが大半だと考えておく必要があります。
「HSP」と「共感性羞恥」の関係性
HSPの人は、人の感情を敏感に感じる(あるいは想像する)ことに長けています。
つまり、物事に対する共感性がとても強い人です。
そして観察者羞恥は、対象者の気持ちを想像していたたまれなくなってしまう感情のことです。
このことから、HSPの人は「共感性羞恥」を持っている場合が多いと言われています。
共感性羞恥のリアル体験談
共感性羞恥による感覚とは、このようなものです。
- うまくいっていない人を見ると、いたたまれなくなってしまう
- ハラハラドキドキするシーンを見ると、逃げ出したくなる
こんなとき、胸がどきどきしたり、締め付けられたりするような苦しさが襲ってきます。
いたたまれなくて、しんどい
いてもたってもいられない、もうそこにじっとしていられない、逃げ出したくなる…
「いたたまれなくなる」こんなぴったりな表現が、ほかにありません。
- レジで会計をしているおじいさんがお金を出すに戸惑い、周りの人がイライラしているのを見ると逃げ出したくなってしまう
- 生放送でアナウンサーが噛んでわたわたしているのをみると、かわいそうでチャンネルを変えてしまう
ハラハラドキドキがしんどい
成功するのか、陥れられているのか…結果が分からないものや、罠に仕掛けられているものを見るのも苦手です。
- モニタリングやドッキリがとても苦手で、仕掛けられる側の人を見ているのが辛くて胸が締め付けられる
- フラッシュモブを見ていると、「サプライズ失敗したらどうしよう…」とハラハラして汗が出てしまう
HSPも共感性羞恥も病気ではない

HSPも共感性羞恥も、病気ではありません。
タフな人もいればそうでない人もいる、あくまで生まれ持った性格・性質です。
なので、精神科や心療内科にいって治療をする…というものではありません。
性質をよく理解し、自分を知って、うまく付き合っていかなければならないものです。
と私も思ってしまいましたが、モノは考えようです。
繊細で感受性が高く、深く考えられるからこそ向いている職業もあります。
一方で、繊細で考えすぎてしまうからこそ、鬱っぽくなりやすい性質でもあります。
なんでもそうですが、物事は捕らえ方次第なんです。
HSPを知った今こそ、自分に向き合うことが大切なんだと、今では考えるようにしています。
まとめ
「共感性羞恥」とはどういったものか、HSPとどういった関係があるのかを、私の経験を交えてご紹介しました。
テレビを観るのがしんどい…というもやっとした現象は、自分だけのものではないと知ってとても安心しました。
自分の物事に対する感じ方、考え方がマイノリティであることを知ることで、だいぶ気持ちが楽になりました。
同時に、性質に甘えることなく、うまく生きていく方法を模索していきたいと思います。